アニメ「BANANA FISH」のあらすじ(完全ネタバレ注意)と感想をまとめているシリーズ、今回は第16話です。
前回のあらすじは次の通り。
アッシュが死亡した。そのニュースで多くの人が戸惑う中、英二とマックス、シンはアッシュが生きていると信じていました。英二は李家に監禁されていましたが、ガラスの破片を手に月龍を人質にして外へ出ることに成功します。
一方マックスはアッシュの司法解剖に立ち会い、替え玉を使ってまでアッシュを死亡したことにしようとすることに疑問を持ち、国立精神衛生センターの一般見学に参加することを決めます。
そしてシンは、ひとりダウンタウンに足を踏み入れた英二を助け、自分のアジトにかくまうことに。そこでようやくシンは、アッシュとショーターの真実を知らされるのでした。
一方アッシュはショーターの脳が国立精神衛生センターの中に保管されていることに衝撃を受けていました。彼の脳のデータを使い、凶悪犯罪の囚人たちをモルモットにバナナフィッシュは進化を遂げていたのです。アッシュは、その知能指数の高さ故に、新たなバナナフィッシュの実験体として使用されようとしていました。しかし、そこに待ったをかけたのはゴルツィネでした。
必ず這い上がってこい。そう挑発とも取れる言葉を受けて、施設の一般見学日にアッシュは警備員に色目を使っておびき寄せ、早速脱出を図ります。
目次
【BANANAFISH】アニメ第16話『哀しみの孔雀』ネタバレ|登場人物
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- アッシュ・リンクス (声優:内田雄馬)
- 本作の主人公。ニューヨークのストリートギャングのボス。金髪に緑の瞳、美しい容姿にIQ180以上、ナイフや拳銃の腕前も人並み外れたカリスマ性のある18歳。
- 奥田英二 (声優:野島健児)
- カメラマンである伊部の助手としてニューヨークにやってきた日本人大学生。純粋で素直な性格だが、頑固で無鉄砲な一面も。アッシュより2つ年上。
- 伊部俊一(声優:川田紳司)
- 日本のプロカメラマン。友人のマックスを頼ってニューヨークへ取材撮影へやってきた。英二の兄貴分。
- マックス・ロボ(声優:平田広明)
- 元アメリカ陸軍軍人、後にニューヨーク市警の警官を経てジャーナリストとなる。
- ディノ・F・ゴルツィネ(声優:石塚運昇)
- アッシュを拾い育てたマフィアのボス。アッシュを寵愛している。
- ザハレフ男爵(声優:小形満)
- ゴルツィネ失脚の後、コルシカ財団の次期責任者として選ばれた男。声優はジェンキンズ役の小形満さん。
- アレクシス・ドースン(声優:宇垣秀成)
- エイブラハム・ドースンの兄。ユダヤ系の科学者で、バナナフィッシュの生みの親。今はそのバナナフィッシュで廃人同然になっている。
- Dr.マナーハイム(声優:上田耀司)
- 国立精神衛生センターの責任者でその正体はマッドサイエンティスト。バナナフィッシュをB-1という薬物に完成するためには手段を選ばない。声優はチャールズを担当している上田耀司さん。
【BANANAFISH】アニメ第16話『哀しみの孔雀』ネタバレ|あらすじ
警備員の銃とIDカードを奪って病室から脱出したアッシュは、院内でメスやハサミなどの器具を物色し、監視室でビル構造や逃走ルートを頭に叩き込みました。そしてまず最初に向かったのは、バナナフィッシュに侵されたドースン博士(以下、ジジイ)のいる部屋でした。

それにしても・・重い。
ドースンはジジイのくせに何故にこうも重いのだ、と愚痴を言いながらおぶってやるアッシュですが、防火シャッターで行く手を阻まれたら、アッシュはためらうことなく先にジジイを投げ、自分はスライディングで滑り込んでシャッターをクリアします。
次にエレベータに乗ると、コントロールセンターに緊急停止をかけられてしまうアッシュたち。しかしアッシュは仕込んでおいたハサミを使って天井の板を取り外し、上からの脱出を図ります。天井板の作業時、ジジイには踏み台になってもらいました。
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しかし最新のセキュリティを誇る国立精神衛生センターのシステムにより、アッシュ脱走の情報はすぐに警備員たちの知るところとなりました。一時的に建物内に警報が鳴り響きますが、この日は施設見学日。すぐに怪しまれないよう「ボヤがあったから」と嘘をついて誤魔化し、見学会も打ち切りとしたのですが・・。
「見学者が2人足りません!」
そう、それはマックスと伊部でした。警報が鳴り見学者が騒然とした時、騒ぎに乗じて施設内に忍び込んでいたのです。恐らくアッシュはここに監禁されている、マックスはそう推測していました。
マックスは、先程アッシュが乗っていたエレベータに乗り込み、警備員を装って緊急停止を解除させます。上にアッシュが乗った状態とはつゆ知らず、マックスはエレベータを上昇させたり、中で乱闘したり緊急停止させたりと暴れたい放題。お陰でジジイはエレベータの上から落ちそうになり、アッシュは体力の落ちている体に鞭打って重いジジイの体を引き上げる苦労を強いられるのでした。
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その頃、コルシカ財団の新しい代表となったザハレフ男爵が、この国立精神衛生センターから逃走を図る”ただの子供”とバナナフィッシュの生き証人のジジイ、そして消えた見学者2名を捕らえるために指揮を執っていました。しかし、結果的に4人の逃亡者全て取り逃がした格好になっていたのです。
お手並み拝見、とその場を静観していたゴルツィネからも協力をもらえなかったザハレフは、財団にこのことは報告しておくと言い捨てるのでした。
アッシュは自分が作り上げた、この世で唯一の魔性の生き物。この男爵ごときに殺られる男ではないと、ゴルツィネは知っていたのです。
その知性と力強靭な精神力、比類なき気品と美貌。
それを生かすも殺すも自分次第だと
その権利は創造主たる自分だけのものなのだ、と。
アッシュは最初に一瞥しただけのビルの見取り図で、自分が今いるフロアにはメインダストシュートのダクトがあったことを認識していました。アッシュはダクトからジジイを背負い、梯子を下って脱出するルートを辿ることにしました。
同じ頃、マックスたちは入院病棟にいました。
生気のない患者たちに違和感を覚える伊部ですが、普通に会話をしている彼らは逆に目立ってしまい、すぐに看護婦に見つかってしまいます。
警備員に追われたマックスは、応戦してその警備員をダストシュートに放り投げます。

警備員はジジイにヒットしました。
また落ちかけるジジイですが、今度はしっかりとアッシュの首にかけた手を離しませんでした。
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ぐえええええ!!!!
ジジイと警備員もろとも落下し、アッシュはゴミだめに落ちました。

こうしてスマートにはいかなかったものの、ダストシュートからようやくアッシュは外に出ます。しかしそこで、アッシュは見たくないものを目にしてしまいます。
それは警備員に連行されるマックスと伊部。
あの後、マックスたちは結局警備員に捕まってしまっていたのです。アッシュはその場にへたり込みます。
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なんで俺はいつも年寄りに足を引っ張られるんだ
死ぬ思いでやっと出てきたんだぞ
戻れってのか、あの中へ?冗談じゃない!
と言いつつ、結局引き返すアッシュでした。

警備員に連行されながらも、「殺されはしないだろう」と高を括るマックスでしたが、ザハレフは気が立っていたので「始末しろ」という指令を出していました。マナーハイムたちは躊躇しますが、警備員はその命を受け行動に移す直前にアッシュが助けに入ります。
やっと出会えたアッシュ。マックスは喜びのあまり、アッシュに対しまさかのひと言を発します。
「助けに来たぞ!」。
アッシュは黙って自分の体を抱きしめます。
震える自分の肩を押さえながら、怒りを堪えながら。
我慢しろ・・我慢するんだ・・
ここでキレちゃいけない・・そんな場合じゃないんだ・・。
怒りを堪えるアッシュでしたが、マックスのとぼけた一言でブチ切れます。
なんかお前臭いな。
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大声で怒鳴ってしまったアッシュを抱え、マックスたちは一目散に逃走します。何を勘違いしたか「心配するな、いい医者を見つけて治してやるからな!」とアッシュに声をかけながら。
警備員に追われた彼らは、小さな部屋に逃げ込みます。すると、そこから男女の息遣いの荒い声が・・医者と看護婦が隠れて情事の真っ最中だった。目のやり場に困ったアッシュたちでしたが、マックスはいいことを思いつきます。
医者と看護婦の服を拝借した彼らは、患者を移送する医者と看護婦に扮して脱出を試みます。看護婦に女装したアッシュはあまりに違和感なく、警備員も全く気付きません。
ところが、エレベータに同乗した医者がアッシュに声をかけます。
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ずいぶんハスキーな声だね。それにすごく背が高い。でもセクシーで素敵だ。
アッシュちゃんを気に入ってしまったらしい医者は、風邪を引いたと誤魔化す金髪看護婦に壁ドンして「診てあげよう!」と食い気味に迫ります。終いにぶん殴られた医者の顔は、とても幸せそうでした。
こうしてマックスは救急車を運転し、ドースンを回収すると病院を後にするのでした。

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アッシュは着替えながら、伊部と久々に言葉を交わします。しかし「英二は元気か」と尋ねるアッシュに、伊部は言葉を濁します。
英二はどこかに行ってしまった。どこに行ったかわからないんだ。
アッシュは初めて英二の置かれている状況を知り、愕然とします。
その頃。国立精神衛生センターでは、もはや外部に漏らしてはならない証人が脱出に成功したのは明らかでした。協力を拒んだゴルツィネに怒りをぶつけるザハレフでしたが、ゴルツィネは冷ややかな態度で銃口を向け、コルシカ財団の次期代表を自らの手で始末するのでした。アッシュへの歪んだ愛情と憎しみに満ち満ちたゴルツィネは、独り言ちます。
こぞうめ、よくやった。ほめてやろう。
お前の息の根を止めるのはこの私だ。
貴様は誰にも渡さん。
その声が聞こえたのでしょうか。アッシュは車の中で少しうなされ、飛び起きると「車を降りる」と言い出しました。マックスは、アッシュが英二を探すつもりなのだとすぐに理解します。「お前の体は休養が必要だ。」そういうマックスに、アッシュは言います。
わかっている。でもダメなんだ。あいつが無事でいないと。俺はダメなんだ。
マックスは止めません。止めても無駄なことは知っていました。
・・そうか。もう何も言わんよ。
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当てはあるのか?と問うマックスに、アッシュはにやりと笑ってこう言います。
この街は俺の庭だぜ。
マックスは雑踏の中去っていくアッシュを、黙って見送るしかありませんでした。彼の無事を、祈りながら。
【BANANAFISH】アニメ第16話『哀しみの孔雀』ネタバレ| 感想
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今回は、緊張感の中にもコミカルなシーンが盛りだくさんで楽しい回でした。アッシュひとりならスマートに脱出できたであろうに、限りなき善意で足を引っ張ってしまうマックスと伊部のおっさんコンビ。マックスがジェシカに離婚されたのって、そこらへんの不器用さにあるんだろうか(笑)
ジジイことドースン兄がちゃんと大人しく何でも言うこと聞くとこも笑えましたね。四つんばでよくアッシュを支えました。エラいえらい。いや、怖いんだけどね、薬物の効果って考えると。
そんな中でゴルツィネの、アッシュへの執着心にはすごいものがありましたね。
今までゴルツィネはアッシュについて「私が育てた」という表現をしていたのですが、今回「私が作り上げた」、「創造主たる私」という表現があり、少しぞっとしました。
育てた、というより自分の思い描く理想の人間を作ってみたかったんですかね。あくまで自分は創造主の立場として、ですが。そういう意味では、人を自分の思い通りに動かす悪魔の薬、バナナフィッシュと発想は同じですよね。
全てを自分の意のままにしたいという支配欲。でも、ゴルツィネは腑抜けで自分の言いなりになるようなアッシュを好むとも思えない。なんとなく、彼の中で矛盾した欲望が存在している気がします。
さて、今回でようやくアッシュが古巣に帰ってきました。英二はシンが匿ってくれているので心配はないんですが、アッシュの「もう見ていられたくない」という言葉がトゲとなって刺さってしまっています。この先の展開が待ち遠しいですね。
では、”バナナフィッシュアニメ16話ネタバレ感想!アッシュと災厄なジジイ達”は、ここまでです。次回は17話『殺し屋』です。
最後までお読みいただきありがとうございました!